2020/11/24
画像の異常検知にHLACを使う(1)
10/30付の日経産業新聞にアダコテック社のDeep Learningを用いない画像の異常検知技術の紹介がありました。その後、日経新聞にも同じ内容が出ていました。誤検出なく異常検知を行うことができ、Deep Learningのように膨大な学習画像が必要なく、普通のPCでも計算ができるとの内容でした。「良いことばかりの技術」という印象で、本当にそんなことができるのか疑問に思う半面、昔、画像処理をやっていたこともあり、大変興味がありました。気になって仕方ないので、土日に自宅でプログラムを組んで自分なりに試行錯誤しているところです。
現状は納得のできる結果が得られていませんが、おそらく何らかのノウハウがあるのでしょうね。まだ、いろいろと自分で試してみたいことがありますが、今までの理解を備忘録として残しておきたいと思います。
キーの技術は、アダコテック社のホームページに記載の通り、
1. 産総研におられた大津展之先生の「高次局所自己相関:HLAC(Higher-order Local AutoCorrelation)」という手法で画像の特徴量を求める点
2. 正常画像で得られた画像特徴量を主成分分析で次元圧縮し、正常状態を把握した上で、評価画像の特徴量が正常状態からどれほど離れているかを判断する点
の2段構えの技術と理解しました。後者は機械学習による異常検知に似た手法のように感じました。

さて、本題のHLACですが、多くの文献がありますが、ネット上で閲覧できる大津先生の「特許第4728444号」や論文等を参考にしました。
自己相関関数(特徴)とは、あるデータ(対象の画素)とそれ自身を一定の変位で変化させたデータがどれだけ整合しているかを示す特徴量で、3×3のマトリックスで2次(高次)までのパターンを考えると、グレー画像では以下の35個になります。二値画像では0と1なので25パターンになります。

次回は実際に画像を処理した結果について詳しくお話します。