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ペルティエ素子で遊ぶ(3)

 前回は、ペルティエ素子で発生した電圧を3.3Vまで昇圧する所まで行いましたが、昇圧後にマイコンを動作させる電流が得られているのか確認できていませんでした。今回はマイコンを動かせるか否かを評価しました。

 結論から言うと、実験に利用した「氷と湯」で熱交換するだけではマイコンは動かせず、LEDを単独に点灯させる程度の電流しか得られませんでした。

 実験は以下の回路を組んで行いました。test_circuit_210829.png昇圧DC-DCコンバータ(AE-XCL102D333CR-G)にペルティエ素子や乾電池の電圧を入力し、3.3Vに昇圧された電圧をマイコンESP-WROOM-02(ESP8266)に入れました。マイコンではIO5の端子に接続されたLEDを点滅させるプログラムを動かしました。

 ペルティエ素子で発生した電圧を昇圧し、マイコンに入れましたが、LEDは点滅しませんでした。peltier_Vup_8266_LED_210829.pngマイコンを介さずに昇圧電圧をLED単独に接続すると点灯しました。peltier_Vup_LED_only_210829.png実験に利用したペルティエ素子ではLEDを点灯させることはできますが、マイコンは動かせない結果でした。
その他、乾電池を用いて実験した結果をまとめると下表のようになりました。Results_210829.png乾電池を利用した場合でも、1.44Vと1.60Vとで、昇圧後にマイコンが動かせるか否かの結果が変わってしまう微妙な所です。ペルティエ素子でもさらに温度差を付けて、発生電圧を大きくする必要がありそうです。

前回も話しましたが、実際にマイコンを動かす場合はペルティエ素子の安定した熱交換が必要ということが再度よく分かりました。思っているほど、うまくいかないものですね・・。熱交換が効率よくできる方法を思い付くまで、本件はしばらくペンディングしておこうと思います・・。
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ペルティエ素子で遊ぶ(2)

 前回の続きです。今回は、複数(4個)のペルティエ素子を直列につないで実験を行いました。peltier_210823_1.png前回と同様にペルティエ素子の両面に放熱用両面テープを使って銅板を貼り付けました。peltier_210823_2.png
実験の外観はこんな感じです。peltier_210823_3.png
氷と湯でペルティエ素子を挟んで発生する電圧を記録すると以下の通りでした。peltier_result_1_210823.pngこの条件では最大0.97Vを示し、時間と共に発生電圧は低下しました。安定した電圧を得るには、持続的に高温熱源を与え、かつ素子の裏面からは吸熱をし続けなくてはならないですね。

手元に3.3V出力の昇圧DCDCコンバータ(AE-XCL102D333CR-G)がありましたので、ペルティエ素子で発生した電圧を昇圧してデータを記録しました。結果は以下の通りです。peltier_result_2_210823.pngどこかでロスがあるのか、計測の問題なのか、1割減の3.0V近傍を推移し、温度差が小さくなるにつれて、電圧は降下しました。

実際にマイコンを動かす場合は安定した熱交換が必要ということがよく分かりました。ペルティエ素子をこれ以上増やすというのも芸がないですよね。そもそも昇圧後の電流値も正しく評価できていませんので、またの機会に行いたいと思います。

ペルティエ素子で遊ぶ(1)

 秋月電子でペルティエ素子を購入しました。ペルティエ効果(Peltier effect)は、Wikipediaの解説によると、異なる金属を接合し電圧をかけ、電流を流すと、接合点で熱の吸収・放出が起こる効果のことですね。愛用しているネッククーラーもペルティエ効果を利用して首を冷やしてくれます。夏の必需品です! 今回、ペルティエ素子を使いたかったのは、電圧をかけて熱の吸収・放出を行うのではなく、逆に温度差で電圧を起こすゼーベック効果(Seebeck effect)を利用して、発電を試みようと思い立ったからです。持続する熱源があれば、ペルティエ素子の一方を熱源に接触させ、もう一方から放熱することで、バッテリレスでマイコンなどが動かせそうです。よくある話ですが。実際に自分の目で確認したかったので、早速実験の準備をしました。

実験には、以下のものもモノタロウで調達しました。
銅板 厚さ 0.3mm、幅 150mm、長さ 300mm、L9020
放熱用両面テープ HF-S43、1パック(3枚) (サンハヤト)peltier_1_210822.png
ペルティエ素子の両面に放熱用両面テープを使って銅板を貼り付けました。こんな感じになりました。peltier_2_210822.png次に、温度差と発生する電圧の関係を調べるために、1wireの温度センサを準備しました。
デジタル温度センサ(1wire)DS18B20+
コネクタに取り付け、peltier_3_210822.pngペルティエ素子の発熱側、吸熱側に1個ずつ放熱用両面テープを使って貼り付けました。peltier_4_210822.png
 実験回路図は以下の通りです。Raspi-Picoを使って、High側とLow側の温度と発生した電圧のデータを計測し、SDカードにデータを保存しました。peltier_curcuit_210822.png1wireの信号線DQには4.7kΩの抵抗を接続するようにマニュアルに書かれてありましたが、手元の1kΩの抵抗で代用しました。

 Raspi-Picoのプログラムは以下の通りです。
# Temperature Sensor data logging for Raspberry Pi Pico
import utime

if __name__ == '__main__':

import utime
import machine, onewire, ds18x20, time
from machine import Pin, SPI
import os
import sdcard

# Runnung lamp
led = Pin(25, Pin.OUT)

ds_pin = machine.Pin(0)
ds_sensor = ds18x20.DS18X20(onewire.OneWire(ds_pin))

# ADC
vol_mes_temp = machine.ADC(0)
conversion_factor = 3.3 / (65535)

# SD card (SPI setting)
spi = SPI(0, sck=Pin(2), mosi=Pin(3), miso=Pin(4))
sd = sdcard.SDCard(spi, Pin(5))
os.mount(sd, '/sd')
os.chdir('sd')

roms = ds_sensor.scan()
print('Found a ds18x20 device')
print(roms)

while True:
led.value(1) # Measurement Start
# Voltage Measurement
vol_mes = vol_mes_temp.read_u16() * conversion_factor

# Temperature Measurement
temp = []
ds_sensor.convert_temp()
time.sleep_ms(750)
for rom in roms:
temp.append(ds_sensor.read_temp(rom))
print(temp[0], temp[1], vol_mes)

# SD Card output
with open("/sd/temp_measure.txt", "a") as file:
file.write(str(temp[0]) + "," + str(temp[1]) + "," + str(vol_mes)+ "\r\n")

led.value(0) # Measurement End
utime.sleep(2)

 実験の外観はこんな感じです。peltier_5_210822.png
条件を変更しながらSDカードに記録された結果は以下の通りです。横軸は時間軸です。peltier_result1_210822.png温度差がない(グラフの黄色線がゼロに近い)場合は、電圧(緑色線)はゼロに近いことが分かります。また、A:室温からB:氷水に浸けた場合は、吸熱側の温度(グラフの青色線)が大きく下がりますが、発熱側の温度(グラフの赤色線)も下がるため、温度差(発生電圧)も抑えられてしまうことが分かりました。Cで発熱側に湯を接触させることで発生電圧は0.4Vまで上がりました。ただ、マイコンを動かすには、まだまだ電圧が足りません・・。
 温度差と発生電圧をプロットすると以下の通りになりました。peltier_result2_210822.png一瞬ヒステリシスがあるのかなと思いましたが、条件を刻々と変えているので、データが安定していないだけですね・・。およそ10℃の温度差で0.323V発生するようです。

 マイコンを動かすには温度差をさらに大きくする必要がありますが、現実的に難しい場合は、ペルティエ素子を直列に複数個接続するしかないかもしれません。次回は複数個で試そうと思います。

ワクチン(モデルナ)の2回目接種をする

 最近は公私共に忙しくブログのアップができずにいました。先月も仕事が超多忙で、休みも心が落ち着かずに疲労が蓄積し、MAXに達する所でようやく休みが取れました。本来なら盆休みで実家に帰省する計画でしたが、このコロナ禍で、再度断念することにしました。1年8か月間、帰省できていません。親の健康状態が最近良くないので、第五波が落ち着いたら、帰省しようと思います。

 さて、8/8(日)にコロナワクチン(モデルナ)の二回目の職域接種を行いました。ネット情報の通り副反応で発熱して、久々にしんどい思いをしました。また同時に、接種せずにコロナにかかってしまったら、このしんどさの比ではないと恐ろしくも思いました。

 8/8の午前中に接種し、半日(12h)程度は何ともなかったのですが、それから丸々1日は37度以上の発熱が継続しました。市販の解熱剤(イブプロフェン、アセトアミノフェン)を交互に飲みながら熱が下がるのを見ていましたが、ダメでしたね。一時的には下がりましたが、薬の効果が切れると、また体温が上昇します。vaccine210814.png
 8/9(月)が祝日だったので、しんどいながらゴロゴロしていましたが、接種日の翌日が平日なら、会社を休む必要があるかもしれませんね。8/10(火)の朝、ようやく37度を下回る体温になり、出社しましたが、体は相変わらずだるかったですね。打ち合わせが当日3つあったので、リモートでも良かったのですが、やむなく出社です・・。帰宅後に微熱があったので、解熱剤を飲んで就寝。その翌日(8/11)は体調もほぼ回復していました。

 それにしても、コロナいつ収まるのでしょうね。お盆の帰省も自粛しろと、政府や自治体が言っていますが、何の説得力もないですね。オリンピックは利権がからみ強行実施しているので、国民も馬鹿らしくて自粛できないのでしょう。
 周りがどうであれ、自分の身は自分で守り、帰省を自粛し、最前線で活躍されている医療関係者の方々や自分に関わる人の迷惑にならないようにしたいと思います。

小谷城跡に行く

 巷ではコロナが急増している中、オリンピックが強行実施されていますね。不要不急の外出、県を跨ぐ外出が規制される中、自宅に缶詰なのも気が変になりそうです。若者が街中の人混みに出かけて行くのも、矛盾の多い世の中、止めることはできないでしょうね。

 結局は自分の体は自分で守るしかないですね。お盆の休暇で実家に1年8ヶ月ぶりに帰省するつもりでしたが、会社からも県外への帰省は自粛するようにとのお達しが出たので、止めることにしました。

 奥さんが自宅缶詰でテレビを見ては文句ばかり言っているので、ガス抜きに人混みのない県内のアウトドアの場所を探すことにしました。最終的に決めたのが「小谷城跡(おだにじょうあと)」です。戦国大名の浅井家の居城(山城)です。織田信長に攻められ、長政が自刃したあとは、秀吉にほとんどの石垣も含め取り壊されたとのこと。

 高速を使って1時間未満で歴史資料館に到着し、見学後、昼食。その後、城跡に登る途中まで車で移動して、そこから片道500mほど山登りしました。odani_castle1.pngクマ出没注意とのことですが、まだ季節的に大丈夫かな・・。登山者には熊鈴をつけておられる方もいましたね。山城を攻めにいっている方は、我々を含め、3グループ(10名以下)で、全く密でない状態でした。心地よい汗をかきながら、目的地の本丸跡に着きました。odani_castle2.png当然何も残っていませんが、本丸は一段高い石垣の上にありました。

 標高も高く、景色は大変素晴らしく、霞んだ感じはありましたが、琵琶湖に浮かぶ竹生島(ちくぶじま)もよく見えました。山城の上から織田軍の動きなどを監視していたのでしょうね。odani_castle3.png
 車で登る道の始点の位置に、大きな兜のモニュメントがありました。odani_castle4.pngもう10年前になるんですね、NHKの大河ドラマの「江 ~姫たちの戦国~」の放映記念で建てられたものでした。私は見ていないのですが・・。

 コロナ禍の外出で不謹慎だったかもしれませんが、県内の人のいない所で、奥さんのガス抜きもできて、大変良かったと思います。

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Author: Dr.BobT
興味のおもむくままに生涯考え続けるエンジニアでありたい。

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